だんだん朝晩の気温が凍えるレベルではなくなってきました。梅の木に花が咲き、世界ではいろいろなことが起きているものの、確実に季節は進んでいることを感じます。
実は最近、すごーく腹が立つことがありました。あまりに腹が立ったので、このままやり過ごすことができず、なんとかこのエネルギーを前向きなものに変えたいと思って「怒り」について調べてみました。
なかなか深い気づきと「これならできるかもしれない!」という対処法も見えてきたので、その辺りをお話したいと思います。
音声で聞きたい方はこちら「怒り」と「期待」
そもそも、「怒り」とは何でしょうか。
しょっちゅう怒っている人もいれば、全然怒らない人もいます。私の父は怒りの沸点が低く「瞬間湯沸かし器」なんて言われていました。私もそんな父に似て、結構すぐにイライラしてしまうタイプだと自覚しています。あまり良いことだとは思っておらず、また「怒り」はエネルギーも使うので、もう少し気の長い人になりたいな〜と漠然と思ってきました。
心理学や脳科学など、いろいろなアプローチで「怒り」について研究がされているのですが、私の経験にも合致しており「なるほど!」と思えた内容を取り上げます。
スバリ!「怒り」とは「期待」を裏切られたことへの反応です。
「怒り」は結果でしかなく、その裏には「期待」があり、それを裏切られた時に感じる悲しさや残念な気持ちがあるそうです。
怒りの原因と「期待」について。怒りは第二の感情?にもう少し詳しい説明がありますので、気になった方は見てみてください。
なぜ「期待」するのか?
- 人は変えられない。
- 期待しても裏切られることはある。
なんてセリフは、これまで何度も聞いてきたのではないでしょうか。恋愛にしても仕事にしても、みなさんも一度はこのような経験をされているのではないでしょうか。
それなのに、どうして人は「期待」してしまうのでしょうか。私自身の経験を振り返りながら考えてみたのですが、そもそも私には「期待している認識がない」ように思いました。これまでの経験や教育に基づく、「生きるために必要な当たり前」があるだけで、それが「期待」と気づいていないように思うのです。だから、簡単に「期待」してしまいます。
例えば、以下の2つのようなものです。
- 過去の成功体験に基づく「自分なら◯◯」(例:自分なら遅刻しないように家を出る、自分なら予定は事前に確認する等)
- これまでに周囲から習ってきた「◯◯すべき」(例:人に迷惑かけないようにすべき、時間は守るべき等)
最近あった具体的なことでお話します(冒頭に言った、すごーく腹が立ったこととは別の話です)。先日私は、友人と美術館に行く約束をしました。最近は感染防止のため、入場人数や時間に制限が設けられています。予め友人と相談して時間を決め、14:00-14:30の間に入場するチケットを購入しました。そして、私達は14:00に美術館の前で会うことにしました。この状況で、私はごくごく当たり前のこととして、以下のようなことを思っていました。
- 遅刻しないように早めに家を出て、待ち合わせ時間の2-3分前には到着するようにしよう。
- 感染防止のため入場時間が決められているのですから、それを守るべき。
さて、どんなことが起きたでしょうか?私は13:50くらいに現地に到着し、友人の到着を待っていました。すると「待ち合わせって、何時だっけ?」とLINEが来ました。「14:00だよ」と返事をすると、「あ〜15:00くらいになりそう。どっかのカフェで待ってて〜♡」との返事。私はこの想定外にのんきな返事に「イラッ(怒)」としました。
自分にとっては待ち合わせに遅れないように来ることも、感染防止のために予め定められた入場時間を守ることも、「期待」という認識がないくらい「当たり前」でしたが、実はこれが「期待」なのです。自分が「期待」していると認識しにくいことが、すぐ「期待」してしまう原因だと思います。そして私は友人にその「期待」を裏切られ、悲しみやがっかり感だけにとどまらず、「怒り」がわいてしまったわけです。
「怒り」への対処法
では、どうしたらいいのでしょうか?「怒り」に到達する前の段階での対処が必要だと思います。私なりに考えた方法は以下の3つです。
- 期待することへの対処法:認識して手放す
- 裏切られることへの対処法:可能なら相手に伝える or 緊急時は離れる
- 第一の感情(悲しみ、がっかり、ショック)への対処法:可能なら相手に伝える or 向き合って癒やす
①ができれば、根本的な解決になりますので一番よいですが、相当難しいです。ただ、先にお話したような構造を理解して、できるだけ意識して手放すことは必要だと思います。その時、相手を蔑んだり、バカにしたりはしないように注意が必要です。先程の例で言えば、「私は入場時間を守りたいと思ったけど、友人のような人もいるな」と理解して「まぁ、そんなこともあるか」と思うようにします。「この人は、時間さえも守れないバカだ、もう友達じゃない。」なんて思ってしまっては事態を悪化させるだけなので、気をつけます。
人は変えられないので、裏切られることをゼロにはできません。①とともに取り組みたいのは②です。相手にその準備がありそうなら、相手にも理解してもらえそうな言い方で自分の第一の感情を伝えます。難しい場合は緊急的に距離を置くことも一つの対処法です。
そして更に、③も必要です。特に癒やしは必要です。私は自分の第一の感情を声に出すか、書き出すことをトライしています。「私は今、傷ついた」「私は今、すごく悲しい」と言ってみると、その声を聞いた私が、自分を癒そうと努力してくれる気がします。あまりにもショックが深い時には、じんわり涙がでるようなこともありますが、それもいいと思っています。まずはそんな自分を受け止めてあげることが必要だと思います。
まとめ:「怒り」がわいてきた時こと、自分を知るチャンス!
今回は、「怒り」について調べた結果、私が得られた気づきと対処法についてお話しました。
自分が「怒り」を感じるときこそ、自分を知るチャンスかもしれません。その「怒り」の背景にある悲しみや無意識にもった「期待」に気づくことで、自分の本当の姿や、ゆずれない価値観が見えてきます。
「一人でやるのはちょっと・・・」と思った方や、少しでも自己分析・自己理解に興味を持った方は、ぜひ30分の無料個別相談をご活用くださいませ。